水曜日, 8月 11, 2004
普通な空間を感じる
久しぶりに自由が丘まで歩いてみた。片道50分ほどの散歩である。途中にはこれといったものは何も無い。それがいい。普通の市街地を散歩するだけのシンプ ルさがいい。いくつもの果物の木が植えてある様々な家の前を通り過ぎながら家人を創造してみるのも面白い。何十年も取り残されてしまったようなアパートや 古い家屋もタイムスリップしたような気持ちにさせてくれる。ここは学生のときに住んでいたアパートにどことなく似ているという具合だ。そして不思議なこと に、すれ違いざまに挨拶されることが私は多い。今日も水筒のお茶を飲んでいたらマンションの脇から出てきた老人に挨拶をされた。あっ、昔近所に住んでいた おじさんということもなく(私自身がおじさんなのだから、もし当時のおじさんが生きていたらギネスブックにチャレンジしているかもしれない)、完全に見ず 知らずの人だ。もちろんこちらも挨拶を返す。私はこんな些細な関係が好きだ。そういえば私はよく道を訪ねられることが多い。先日も渋谷であるご婦人から 『青い部屋にいきたいんですけど』と声をかけられた。作家の戸川昌子さんの店である。私は入ったことは無いが有名な店なので場所は把握している。しっかり 勘違いの場所で困惑していたそのご婦人に場所を教えた。考えてみたら私もよく道を聞くことがあった。そのときの感謝の気持ちの恩返しという意識は自然に染 み付いているようだ。まっ、それはあまりにも普通のことすぎるのだけれど・・・。(column: 1604)
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