水曜日, 4月 11, 2007

突然の訃報に絶句

学生の時、一般教養科目としての英語で数名いらした担当教員のうち、私はE先生の授業を履修していたのですが、その時に学内でおそらく何度もニアミスしていたであろう英語のS先生と現在多摩美術大学造形表現学部でご一緒させていただいていたのですが、本日(11日)打ち合わせ中に入った携帯電話にて突然の訃報を知り絶句してしまいました。前日の午前2時頃のことだったそうです。7日にお会いしたときはあれほど元気だったので今でも信じられません。その7日の入学式で教授代表としてスピーチされた先生の新入生に贈る言葉は、いかにも先生らしい『ふたりのロッテ』などで有名なドイツの詩人であり作家のエーリッヒ・ケストナーが綴った『新しい年のはじめに若い人に贈る短い挨拶』の4つの言葉である『両親』『お手本』『子供の頃』『ユーモア』についてでした。そしてそれが先生の最後の教えとなってしまいました。その後、共通教育の私達は控室で昼食を食べたのですが、私の前に先生が座られたので、なぜか突然、遠い昔の、私が学生の頃の話がしたくなり、先生は暫く付き合ってくださいました。もしかしたら、先生とはこのタイミングを逃したら二度と昔話が出来ないことを感じ取っていたのかもしれません。とにかく私はなんとなく昔に戻れたような暖かい時間を過ごすことが出来ました。その後講堂にて先生方と担当教科の履修説明を行い、夕方から親睦会で多いに盛り上がりました。フォーマルな服装は疲れちゃうから着替えてきちゃいましたと、おちゃめな先生が一緒だったのは言うまでも有りません。ただし親睦会ではそれほどお話しすることが無かったのが今となっては悔やみきれません。しかし、その前にじっくりと私の昔話に付き合ってくれたことを考えると、先生から私に話す事はもうなにもなかったのかもしれません。そして先生はその1次会でいつものように優しい笑顔とともに帰宅してしまいました。そしてそれが私達にとっての永遠の別れとなってしまいました。いつも私が作っていったクッキーやケーキを嬉しそうに食べてくださった先生の優しい笑顔はもう見ることが出来ません。多摩美術大学造形表現学部共通教育の癒し系アイドルであった先生の笑顔で巣立っていった学生は数知れません。お疲れさまでした。そして、慎んでご冥福をお祈りいたします。