金曜日, 11月 12, 2004
スターリングラード(2001)
エアチェックでスターリングラード(2001)を見た。第2次世界大戦のスターリングラード戦を舞台に、実在したソヴィエト軍のスナイパー、ヴァシリ・ザ イツェフ(戦後は国民的な英雄となったらしい)の生きざまを描いた作品で話題となったので期待していた。冒頭のソヴエト軍のばかげた突撃シーンを見て、 リアル系の作品みたいで期待できそうと感じたが、が、共産党の青年将校ダニロフとの出会いの場面での狙撃シーンは、いくら狙撃の名人でもスコープも無く、 癖もわからない初めて持った銃でいきなり5発のたまを全て命中させるなんてのは、あまりにもご都合主義すぎるし、恋人のターニャとの防空壕内での情事はほ とんどアダルト映画なみの描写で『こんなシーンいらないのと違う?』とゲッソリすると同時にあんな何人もが雑魚寝状態でそんなのアリ?と激しく突っ込みた くなる。とどめはドイツ軍のスナイパーであるケーニッヒ少佐との決闘的な流れになってしまった後半のストーリーに至っては遂にリアリティーは消滅(靴磨きの少年の設定はあまりにも都合が良すぎる)し、ラストであれほど慎重派であったケーニッヒ少佐が無造作に狙撃位置から飛び出してヴァシリに射殺されるシーンのいい加減さで脱力感。ラストはハッピーエンドというのも、あまりに情景描写が凄かっただけに全体の印象がぶち壊しになってしまった。確かに部分的な実 話をベースにしているとはいえ、もう少しリアリティーある描写があったもよかったのにと個人的に感じた。同名映画でまったく異なる内容のスターリングラー ド(1993)がよかっただけに残念だ。とにかくケーニッヒ少佐を演じたエド・ハリスの演技は光っていたし、脚本を練り直せばプライベートライアンぐらい の緊迫感は出せたと思うんだけど・・・と、妙に熱くなってしまった。ころでこの映画、オリジナルで見ると全編英語(ソヴエト兵もドイツ兵も英語しか話さない)で作成されているのであるが、それって最低じゃないの。(column: 1664)